F.ラボとは
Film Education(映像教育)とは、
● 映画をはじめとする映像表現物の鑑賞を通して、
その内容・主題・本質を把握して味わいながら楽しむ方法を学ぶ
● 動画を使った映像表現を自ら体験することを通して、
未来を生き抜くための5つのチカラを身につける
Film Education Labでは、この2つのことを目指す教育と定義しています。
動画づくりや映像制作に取り組むことで、
多様な表現方法を学び、自ら表現することを楽しみながら、
未来を生き抜くための5つのチカラを身につける
はじめの一歩を踏み出しませんか。
自分の伝えたいことを表現する、といっても、その方法は多種多様です。
なかでも映像表現は、文字や言葉を使った言語表現に加えて、
静止画や動画、効果音や音楽など非言語表現も活用する、
高度な表現方法であり、映像制作を通して表現したいことを的確に伝えるためには、
学ぶべきポイントがたくさんあります。
情報端末に慣れ親しんだ子どもたちは、動画をつくる方法だけならあっという間に習得します。
だからこそ、その先の学びの促進が大切なのです。
ただ楽しいだけでなく、プロならではの専門知識とスキルを知ることで、
子どもたちが、自ら表現の幅を広げ、自ら問いを立て、工夫を凝らして作品を作り上げ、
見事にプレゼンテーションで発表するという目標に到達する姿をたくさん見てきました。
その経験から、映像制作には、
子どもたちが未来を生き抜くために必要なチカラを育む学びがある、と確信しています。
このチカラは、新学習指導要領が示す3つの資質・能力とも関連が深く、
VUCA時代を生きる子どもたちに必要な世界標準のコンピテンシーを育てるプロセスを描いたOECDの
「Leaning Compass2030」にもつながると考えています。
まずは、映像教育の専門家とともに、「総合的な学習の時間」などを活用して、ワークショップ形式で、
楽しみながら、動画づくりや映像制作に取り組んでみましょう。
もちろん、さらなる映像表現の探究を求めて、ドキュメンタリー制作にチャレンジすることも可能です。
取材する「人物」や「事象」に対して、答えのない問いを発し、受けとるというドキュメンタリーの本質は、
探究活動の本質とも通じるところがあり、未来を生き抜くチカラを身につけるために、とても有効な手段です。
映像制作は、制作過程が複雑で、作業量も処理する情報量も多く、一人で作り上げることは難しいため、明確なゴールの共有、スケジューリングと役割分担などチームでの「協働作業」が必須です。映像制作を通じて、お互いの意図や価値観を知るために相談したり、映像として伝えるためのアイデアを出しあったり、主体的に楽しみながら作業に没頭しているうちに、目標を共有し、ともに力を合わせて活動する協働作業のチカラを、自然に身につけることができます。
チームで一つの映像作品を作り上げるためには、双方向コミュニケーションが不可欠です。また、作品によっては、他者にカメラを向けて話を聞く「インタビュー取材」を経験します。日常生活で他者と関わる機会が少なく、他者に興味を持ちにくい現代の子どもたちが、インタビューを通じて、取材対象の新しい魅力を見つけたり、思わぬ答えを聞き出したりすると、否が応でもその人への興味がわきます。このように、他者とのコミュニケーションを繰り返して、どんどん多様性の理解を深めていくことができます。
映像制作では、取材依頼や撮影現場の確保など、外部の人との交渉が必要になります。安心安全な場所である家庭や学校から飛び出し、電話やメールでのやりとり、手紙や宅配、FAXを送るといったふだんあまり使うことのないコミュニケーションツールを使うことによって、実社会とのつながりを持つことができます。
映像作品は、一般的にノンフィクションといわれるドキュメンタリーも含めて、あくまで「創作物」です。作り手は、自らの判断で取捨選択して撮影し、編集をします。自分たちの手で映像を制作し発信する立場を体験することで、映像とは制作者の意図を持って作られたものであり、真実を100%映し出したものではないという事実に気づくはずです。このように、世の中に氾濫する情報の真偽を見極め、その特性を理解して使いこなす複合的なチカラ、メディアリテラシーを身につけることができます。
映像とは、まったくのゼロからイチ(新しい世界)を作り出すものです。その過程は、これまでの知識や経験をフル稼働させてもとても足りません。新たなインプットとアウトプットを繰り返すほど、完成度が高まっていくものです。映像制作を通して、幅広い知識が得られると同時に、さらなる知識を渇望し、さまざまな経験が積み重なっていきます。それは飽くなき好奇心や知識欲になり、学び続ける姿勢につながります。
映像制作はこれからの社会で求められる力
自大学のAO入試や企業の採用選考で、自己PR動画の提出を求められるなど、 動画づくりや映像制作は、広く一般的に身につけるべきスキルとして浸透しつつあります。 さらに、これからの社会で求められる力として、問題を解決する力があります。 チームで問題を解決する力のレベルを上げるために、今、学校教育では、 探究活動の取組がはじまりました。生徒自らが課題を設定し、解決に向けて情報を収集・整理・分析したり、 周囲の人と意見交換・協働したりしながら進めていく映像制作は、探究活動に最適です。 このように、映像制作は、自分の伝えたいことが伝わる映像表現力や問題解決能力といった、 これからの社会で求められる力を育みます。